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学生時代、唐十郎や鈴木忠の芝居を見に行った。東京クンダリに出かけたというより、何ヶ月も東京の友達の家に居候し、なんとか食いつないでいたのだから、のんきな時代でもあった。それから、少し経った頃に野田秀樹の「夢の遊眠社」が出てきて、「怪盗乱魔」も初演されたように思う。そうした芝居の溜まり場が東京でも新宿近辺に集中していた。赤テントや早稲田小劇場で、台詞の毒気に酔った思いがあるが、今となってはさすがに、「怪盗乱魔」のそれは、あまりにも時代の雰囲気に乗っかっていたのか、以前ほどのインパクトはない。東京、とりわけ新宿という町の陰気さ、陽気さ、猥雑さ、健全さ、○○さ、××さなどなど、いっぱいひきづってきたのも、こういう芝居で最後かも知れんなあ。聞けば、新宿歌舞伎町は、「エンタメ」(始めこの言葉を聞いたときはいまさら円を貯めてどうするんや、と思ったが、エンターメントの略だそうだ)センターとして生まれ変わるのだそうだ。歌舞伎町の安ホテルに泊まったとき、朝 4時から 5時のつかの間の静寂が、かえって街の雰囲気があったことも覚えているが、街の様相も相当に変わるのだろうか?
野田秀樹は、後書きで「自分は坂口安吾の生まれ変わり」と書く。そういえば、安吾にもある、その時代のギラギラしたものを持っている気がした。
「新宿のお母さん〜、今どこにいるのー?」
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