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青空作家と漢詩(その 3)―李賀と泉鏡花の「春晝」

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 李賀の(初期と思われる)詩に「春晝」があり、泉鏡花の「春昼」「春昼後刻」もここから題を取ったのでしょう。全文を紹介しておきます。


朱城しゅじょう 春を報じて更漏こうろう 轉じ
光風 蘭をうながして 小殿を吹く
草細くしてくしけずるに堪え
柳長くしてれんの如し
衣を卷く 秦帝
粉を掃う 趙燕ちょうえん
日は畫幕がまくを含み
蜂は羅薦らせんに上る
平陽の花塢かう
河陽の花縣かけん
越婦えつふ はたささ
吳蠶ごさん まゆ
菱汀りょうてい 帶を
荷塘かとう 扇
江南 情有り
塞北さいほく うらみ無し

 原田憲雄氏は、最後の句、「塞北 恨み無し」は、楽観、悲観の両説を挙げながら解説されています。鏡花は「春昼」執筆当時は、ちょうどスランプの時期で、笹川臨風から拝借した李賀の詩集を読み耽ったと言われています。小説の内容からは、この詩の持つ、のどかな春の昼に潜むどこか物憂くペシミスティックな趣きからインスピレーションを得た事を感じさせますね。

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